医学部に現役合格できるのは約30%!高校1年生からの早期対策がカギ
「医学部に現役合格したい!」そう考えている受験生の方も多いのではないでしょうか。
私自身は医学部に現役合格しましたが、そのことを話すと決まって「すごいね」と言われます。
これほど浪人して目指すことがメジャーになっている学部は医学部だけなのではないでしょうか。
今回は難しいと言われる「医学部現役合格」の実際のところを様々な視点から紹介します。
目次
医学部が難しい理由はずばり優秀な人が集まるから
そもそも、医学部受験が難関と言われる理由は何なのでしょうか。
「東大よりも難しい」との声も聞きますよね。実際のところを見てみましょう。
国公立は東大越えの難易度も
国公立大学の医学部の中には、東大の理科1類や理科2類より難しいところがあります。
私立大学医学部は、早慶の理系学部より難しいか、同レベルのところがほぼすべてでしょう。
最近になって、医学部の倍率がようやく下がり続けているとは言うものの、首都圏や大都市圏の国公立大学や旧帝大の医学部は、「東大より難しい」といってもあながち間違いではなく、難易度が以下のように示されます。
東大理Ⅲ > 旧帝大医学部など > 東大理科1類・2類
医学部が難しい理由は?
医学部が難しい理由として、「求められる偏差値が高い」「倍率が高い」「受験科目数が多い」「前期と後期の2回しかチャンスがない」「入試でミスが許されない」といった要素が挙げられます。
また、私立大学の医学部が難しい理由としては、「大学ごとに入試傾向が異なる」「問題を解く速さと正確さが求められる」「浪人生の受験生も多い」「国公立大の受験生も併願してくる」といった要素が挙げられます。
優秀な人が集まってきて、浪人生も多数
私立大学の医学部の学費が依然として高い状況にある中で、国公立大学の医学部の入試においては、学費の安い国公立に入ろうと、自分の実力より低い大学を受けて、確実に合格を手にしようとする受験生も多いと言えます。
そのため、国公立大学の医学部受験においては、難易度が低めとされる地方の大学であっても、優秀な受験生が多数受験するため、全く手を抜くことができないのです。
また、私立大学医学部の場合は、現役の時や1浪の時は国公立大医学部を狙っていたような、浪人生が非常に多く受験するという実態があります。
そのため、押しなべて言って、国公立大より私立大学のほうが倍率が高くなりやすいのが、医学部受験の特徴です。
浪人生は、すでに何度も医学部受験を経験しており、知識やノウハウも豊富に持ち合わせていることが多いため、同じ土俵の上で勝負するとなると、現役生にとっては手ごわい相手となるでしょう。
私立の学力試験は独自傾向
私立医学部の学力試験は、マークシート式が多く、「多くの問題を、素早く、正確に解いていく」ことが求められる試験であることが多いです。
そのため、問題集をただ「理解している」「覚えている」状態では、反応速度が遅く、問題を解くのに時間が掛かって解ききれないという事態が発生します。
また、マークシートに慣れていないと、間違ったところにマークしてしまったり、速度が遅くなってしまったりと、いろいろ困ることになります。
そのため、国公立大学医学部の「滑り止め」としては機能しないという点が、私立大学医学部の特徴と言えるのであり、現役生や1浪生にとっては、多浪生のライバルが非常にたくさんいる事情もあって、ハードルは高いと言えるでしょう。
医学部の現役合格率 大学によってばらつきはあるが偏差値と比例する
それでは、実際に医学部の現役合格率はどれくらいなのでしょうか。
2023年度の私立医学部の現役合格率は以下の通りです。完全に偏差値順ではありませんが、偏差値の高い大学は現役合格率も高い傾向にあることが分かります。
慶応義塾大学 81.5%
順天堂大学 63.5%
東京慈恵会医科大学 54.3%
東邦大学 53.3%
東京女子医科大学 50.9%
自治医科大学 48.8%
国際医療福祉大学 46.7%
日本医科大学 46.4%
東京医科大学 42.6%
昭和大学 41%
埼玉医科大学 40%
北里大学 38.6%
関西医科大学 37.8%
日本大学 37.4%
大阪医科薬科大学 36.6%
聖マリアンナ医科大学 36.5%
獨協医科大学 33.3%
愛知医科大学 32.8%
兵庫医科大学 32.6%
東海大学 31%
藤田医科大学 30.8%
岩手医科大学 29.2%
川崎医科大学 25.4%
近畿大学 21.6%
福岡大学 19.3%
久留米大学 15.4%
金沢医科大学 13.5%
※東北医科薬科大学、杏林大学、帝京大学は非公開
2023年度の国公立医学部の現役合格率は以下の通りです。TOP3は京都大学、東北大学、大阪大学であり、こちらも国公立医学部の中でも難関大学が上位にきている傾向があります。
京都大学 81.5%
東北大学 71.3%
大阪大学 71.3%
横浜市立大学 68.8%
群馬大学 68.5%
千葉大学 66.7%
浜松医科大学 66.4%
徳島大学 66.1%
和歌山県立医科大学 66%
札幌医科大学 62.7%
弘前大学 61.6%
旭川医科大学 61.1%
北海道大学 61.1%
京都府立医科大学 61.1%
佐賀大学 60.2%
奈良県立医科大学 59.3%
九州大学 59.3%
福島県立医科大学 57.7%
山口大学 57.3%
新潟大学 55.7%
秋田大学 54%
山梨大学 53.6%
神戸大学 52.6%
広島大学 52.5%
岡山大学 51.9%
長崎大学 50.4%
滋賀医科大学 49.5%
熊本大学 47.4%
琉球大学 47%
三重大学 46.9%
鹿児島大学 44.2%
信州大学 42.5%
高知大学 42%
香川大学 41.3%
大分大学 38.8%
富山大学 38.7%
宮崎大学 36.5%
※山形大学、筑波大学、東京大学、東京医科歯科大学、金沢大学、福井大学、岐阜大学、名古屋大学、鳥取大学、島根大学、愛媛大学、名古屋市立大学、大阪公立大学は非公開
偏差値が高い大学ほど現役合格率が高い理由として、進学校の生徒やずっと前からこの大学を目指して勉強していた人が多く受験することが挙げられます。
周りの影響にしろ、自分で決めたにしろ「○○大学に行きたい」と早くから目標を決めて受験する人が多いのです。
医学部受験のための勉強はできるだけ早いほうがよい
では実際に、現役合格をつかむためにいつから勉強をはじめれば良いのでしょうか。
医学部を目指し始める時期、実際に勉強を始める時期の2つを紹介します。
医学部を目指し始める時期
医学部を目指し始める時期は、「小学生の時、家庭環境の影響で」という人と、「高校生の時、実際の医療に触れる機会があって」という人の2パターンが多いようです。 (参考:医学部受験ガイド)
実際、医学部の友達でもこの2つが多いです。
「親が医者で小学生のころから医者になることしか考えていなかった」「高校生のとき、コロナ禍で活躍している医療者に感銘を受けて」
一部、「他の学部に進学したが、どうしても医者になる夢を捨てきれなくて」という同級生もいます。
現役合格を目指すなら高校1年生から勉強をはじめよう
本格的に受験勉強を始めた時期としては、「高校卒業後」が29%、「高校3年生」が40%、「高校2年生」が23%、「高校1年生」と「中学」がそれぞれ4%となっています。(参考:医学部受験ガイド)
高校1年生から本格的に受験勉強を始めた人は、全体の4%に満たないものの、現役で受かった人の18%を占めます。
やはり人間というのは、「やろうと思っていても、なかなか始められないもの」です。
医学部を少しでも考えているならば、高校1年生から受験勉強を始めたいものですね。国公立医学部を目指しているならなおさらです。
逆に、高校3年生から本格的に受験勉強を始めた人は、浪人して医学部に受かった人の58%を占めます。
医学部を目指すならば、「どんなに遅くとも高校2年生から受験勉強を本格化してほしい」というのが、教える側からの本音というところでしょうか。
もし高校3年生から本格的に受験勉強に着手するならば、医学部受験の場合、浪人を覚悟して進めなければならない、というところでしょう。
でもあなたが現在高校3年生でも現役合格を諦める必要はありません。私自身も本格的に医学部受験に向けて勉強をはじめたのは高校3年生からでした。
それでも基礎を重視して毎日机に向かったところ、現役合格することができました。
「周りと比べてスタートが遅い」と感じている人は、それをカバーするくらい勉強を積んでいくことを意識しましょう。
現役合格した私の1日のスケジュール 休日は13時間ほど勉強
私は高校3年生で医学部受験を志し、私立医学部に現役合格しました。
高校3年生時の、平日・休日の2パターンを紹介します。
高校3年生では、授業は午前中までで午後は選択授業でした。
私は週に1日、地理のみ選択授業をとっていたため、選択授業がない日のスケジュールを紹介します。
平日 高校の授業の間に受験勉強
5:30 起床
6:30 通学(英単語・英熟語の暗記)
7:30~8:30 計算練習
8:30~12:30 授業(合間や授業中に受験勉強)
12:30~13:30 参考書を読みながら昼食、昼食後に受験勉強
13:30~17:00 教室で残り、毎日2科目に絞って重点的に勉強
17:00~17:30 塾に移動(英単語・英熟語の暗記)
17:30~21:00 塾の授業
21:00~22:00 帰宅(英単語・英熟語の暗記)
22:00~23:00 入浴など
23:20 就寝
休日 睡眠・入浴・食事以外はすべて勉強
6:00 起床
6:00~7:00 計算練習
7:00~7:30 朝食、準備など
7:30~12:00 勉強(途中にランニングをしてリフレッシュ)
12:00~12:30 昼食
12:30~18:30 勉強(筋トレ・ランニングでリフレッシュ)
18:30~19:30 夕食
19:30~21:00 勉強
21:00~21:30 お風呂
21:30~22:30 英単語・英熟語の暗記
ちなみに、1浪して合格した先輩のスケジュールは以下の通りです。
浪人生の1年間はご飯や休憩時間を除いて、13~15時間ほど勉強していたそうです。
8:00~9:00 電車で塾に向かう (英単語・英熟語の暗記)
9:00~15:00 生物・化学の勉強
15:00~15:40 お弁当を食べながらランダムの計算問題と英単語の問題を合計4枚くらい解く。
15:40~16:40 得意の英語を1時間勉強
16:40~21:40 苦手な数学を勉強
21:40~22:40 帰宅、夜ご飯
22:40~24:00 復習
この生活を模試の日以外はほぼ毎日続けており、友達とご飯に行くのは月に1日だけだったそうです。
まとめ 実際医学部に現役合格するのは難しい
今回は医学部の現役合格について紹介しました。
現役合格率だけでなく、求められる準備からもその難しさが感じられたかと思います。
私は高校3年生から医学部に向けて受験勉強をはじめましたが、とっても苦労しました。
この記事を見ている方で、「現役合格をしたい!」と考えている場合は早めに受験勉強に取り掛かることをオススメします。