医学部受験生の理科の科目選択は?オススメの勉強法&参考書【化学・生物・物理】
こんにちは。
一段と寒くなってきましたがみなさん体調は崩していないでしょうか。
今回は「医学部受験生の理科」をテーマに、科目ごとにおすすめの問題集や勉強法などを紹介します。
目次
化学 選択率No.1 理解+暗記で積み重ねていく
医学部受験において、理科を2科目選択して受験することがスタンダードです。
もう選択している人なら分かると思いますが、大体の受験生は化学+生物or物理という組み合わせで受験します。
化学は避けて通れないということですね。
理論・無機・有機の3分野に分かれているため、満遍なく仕上げるのは大変ですし、得意・不得意もはっきり分かれる印象です。
おすすめ問題集 段階的に使っていく
配られる高校も多い、基礎的な問題集です。「これが絶対」というわけではなく、みなさんの高校で配られているもので十分です。
「配布される=ここまではみんな押さえてね」ということです。
まずはこのような基礎的な問題集を完璧にしましょう。
これは化学の辞書とも言える本で、医学部受験生の人ならみんなが持ってると言っても過言ではありません。
ここに書いてないことはないと言っていいほど、事細かに書かれています。そのため普段使いするというよりは、機序を調べたり無機化学の知識を増やすときなどに使いました。
これはセミナーで基礎固めが終わった後に、実際の大学受験に出題された問題を解くために使います。それぞれの分野に必要な知識や計算方法をoutputできるためとても重要なテキストでした!
ただ、問題数がとても多く一部応用的な問題も含まれるため、全部やり切ろうとしないよう気を付けましょう。
重要問題集が解き終わった後に、必要な知識や力を補うために使っていました。これが解き終わったら、いよいよ志望校の過去問を解き始めました。
※番外編
大学入試の得点源 化学[無機][有機][理論] 新装版
得点源となるポイントが本当にまとまっていて、これを入試本番の直前に読んでおくと最高です。それに問題集でも見なかったポイントが詰まっていたりします。
化学の勉強法 1つ1つ積み上げよう
模試の出題範囲に合わせて勉強計画を練って、その模試を受ける前に終わらせられるように逆算しました。そして、その月に勉強すべき分野が決まったら、週ごとにどの分野のどこを勉強するかまで決めます。
分野ごとに セミナーで用語や基礎内容を暗記・理解→科学の新研究を片手に流れを暗記・化学式など書ける様にする→重要問題集・標準問題精講でoutputの集大成を行う
というのを繰り返していました。
闇雲に何種類もの本を使って勉強していても、1つの問題を1回しか解かないのはあまり意味がありません。
この問題が求めていることは何か?なぜ自分が間違えたのか?解法は合っていたのか?
その全てを一つ一つ確認していくことが大切です。重要問題集の中には、6,7回解き直した問題もあります。それくらい継続と繰り返しが大切なんです。
生物 ひたすらな努力が実を結ぶ
次は生物です!みなさんは生物に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
私の中で生物は「とにかく暗記」というイメージです。地頭の良さでは対抗できない科目だと思います。
おすすめ問題集
生物を勉強し始めるとき、この問題集でまずは基礎固めをしていました。生物は数多くの用語をいかに早く覚えて身につけるかがその後の勉強の質を大きく変えます。まだ基礎用語の暗記ができていない人はさっさと暗記してしまいましょう!
これに書いてないものは、教科書を読めばOK。それくらいまとまっていて、流れも事細かに書いてある参考書的立ち位置の本です。「詳しいところがよくわからないな…」となったら何度でもこの本に立ち返っていました。
生物の全体像がわかってきたら、この問題を解いて力をつけていきましょう。受験はinputのみでは対応できず、いかに質よく量よくoutputできたかが合格の鍵となっていきます。生物ではそれが顕著に現れる科目です。この問題集一つ一つの問題を丁寧に噛み締めながら解くことができれば、初見の問題でも解ける問題が多くなるはずです。
④大森徹の生物 遺伝問題の解法 新装改訂新版 (大学受験Doシリーズ)
こちらは番外編です。遺伝が苦手な受験生はたくさんいると思います。苦手だからと放置しないで、早いうちに得意分野にしてしまいましょう!!
勉強法 化学と同じように段階を追う
さてさて、ここからは問題集の使い方に移ります。私はまず、定期的にやってくる模試の出題範囲に合わせて勉強計画を練っていました。
そのため、模試の出題範囲をその模試を受ける前に終わらせられるように逆算して勉強計画を練ります。そして、その月に勉強すべき分野が決まれば、週ごとにどの分野のどこを勉強するかまで決めます。そしたらあとは簡単。
分野ごとに エクセルで用語や基礎内容を暗記・理解→大森徹の最強講義を片手に流れを暗記・言いながら書ける様にする→標準問題精講でoutputの集大成を行う
というのを繰り返していました。そうすると自然とその分野の理解が進むし、模試で覚えていない分野が出ないので、模試が自分の今の実力を成績に直に反映することができます。
模試でできなかった問題はノートに貼って復習することもオススメです。
物理 公式の暗記と現象の理解
物理は数学に近く、まず公式を暗記しなければなりません。
しかし、ただ丸暗記するだけではダメで現象の理解が伴わないと試験本番で使いこなすことはできません。
化学、生物と同様に、公式の暗記+理解→それを使って基礎的な問題を解く→標準的・応用的な問題にも取り組んでいく、という勉強法が良いでしょう。
おすすめ問題集 まずは暗記と理解から
①教科書
まずは教科書で公式の暗記、理解、そして掲載してある問題を解けるようにすることを目指しましょう。
前述した通り、教科書は全ての学生を対象に作られたものです。「教科書に書いてあることはすべて完璧にする!」くらいの心持ちで取り組むことがおすすめです。
物理が本当に苦手な人におすすめなのがこのシリーズ。
物理は問題を解く際に、「この問題はどの公式を使っていくか」ということが思いつけるかで問題を解けるかが決まります。
そのためには、物理現象に対する理解を十分に固め、「なぜこの場面でこの公式が成り立つのか」といった原点の部分をしっかりと自分のものにしておく必要があります。
基本固めは単調で飽きてしまう作業ではありますが、一番大切な工程でもありますので時間をかけて行っていきましょう!
この問題集は一番最初に物理法則や公式を理解した後に、基礎的な部分の力を補強するのに適している問題集です。ぜひ難しい問題に取り組む前に一通り終わらせましょう。
この問題集は解説も丁寧で、問題数が厳選されています。全ての問題を解けるようになればとても力がつくでしょう。
良問の風→名門の森
というステップは多くの受験生がご存じなのではないでしょうか。
難関大学を受験する人はこれらで完成させる人が多いかと思います。問題を解くヒントも載っていますので、自力で解けなかった問題は、ヒントを参考にして解いてみるといったように、諦めずに実力をつけられるようにもなっています。
しかし注意したいのが、絶対にこれらの問題集を使わなければならない、というわけではないということです。
必ず基礎的な問題集を優先して取り組み、上滑りしないよう注意しましょう。
数学が得意なら『物理』、苦手なら『生物』を選択しよう
前述した通り、理科を2科目選択する際は化学+生物or物理という組み合わせが多いです。
よって多くの受験生は物理と生物どちらかの選択に迫られます。
令和2年度の理系受験者の科目選択では、物理と化学を選んだ人が134,641人(74.0%)、生物と化学を選んだ人が45,309(24.9%)人、物理と生物を選んだ人が860人(0.5%)となっています。
ちなみに、残りの0.6%は、地学を選んだ人になります。
地学を選択することができる医学部は、極めて限られていますので、あらかじめ大学の募集要項を見て、確認してみてください。
でも、地学を選んでしまうと、他の医学部の併願がしにくくなりますので、物理・生物・化学の中から選択することをお勧めします。
統計を見て分かるように化学+物理を選ぶ人が最も多く、「物理を選べ」という先生も多いですが、医学部受験においては物理、生物どちらかが有利ということはありません。
以下のメリット・デメリット、そしてご自身の得意不得意を考慮して判断しましょう。
物理のメリット、デメリット
まず、数学が得意な人は、物理という科目の本質的理解が容易に済むため、物理も高得点を取りやすいというメリットがあります。
また、暗記量が生物・化学に比べて少ないのも物理の特徴で、このあたりが物理選択者が多い理由の一つであるようです。
ただし、一度計算ミスをしてしまうと、芋づる式にどんどん失点してしまう可能性があるというのも、物理のデメリットです。
生物のメリット、デメリット
まず、生物のデメリットは、暗記量が多いことにあります。
生物の暗記量は、物理より多いのはもちろん、化学よりも多いと言われており、このあたりが生物を選択する人が少ない理由のようです。
でも、生物には、安定して高得点を狙いやすいというメリットもあります。
計算ミスにより芋づる式に失点してしまう恐怖がある物理と違い、独立した問題が多いため、資料読解力と論理的思考が長けている受験生であれば、生物で得点を固めることができます。
入学後に有利なのは基本的に生物
大学入学後に学ぶ「医学」という学問の基礎となる「生物」に感性豊かな高校生のうちから習熟しておくことは、高校卒業後の人生のうえで、有利になると言えます。
医学部に進学した場合、医学の基盤になるのは生物・化学ですから、物理と化学を入試で選択した人は、大学入学後に生物分野の膨大な暗記をこなさなければならなくなります。
もちろん、大学1年次には教養科目として物理も履修することになると思いますが、「医学物理学」と呼ばれる学問を専攻する場合を除いて、医学と物理が直接関わることはなさそうです。
逆に言うと、大学に入ってから物理を学び始めることは、全く苦でないと言えます。
なぜなら、大学で履修する物理のコースは既習・未習で分かれていることが多いため、大学受験で物理を選択していなくても安心して学べるほか、物理の暗記量は少ないからです。
まとめ 3科目の特徴を踏まえた上で勉強しよう
今回は理科をテーマにお届けしましたが、いかがだったでしょうか。
どの科目も基礎をしっかり固めてステップアップしていくこと、1回で満足せず何度も何度も繰り返して完璧にすることが大切です。
また理科の選択の際も、周囲に流されず自分の得意不得意や各科目のメリットデメリットを踏まえましょう。そしてそれを踏まえた上で勉強しましょう。
物理は基本的に数学的処理が必要です。計算ミス1つで大問全てを落としてしまうということもあります。
ただ現象の理解をするだけでなく「正確に早く解ける」というところまで持っていきましょう。
化学は理論・無機・有機という色が異なる3種類を習得しなければならないので大変です。語呂合わせを活用したり、資料集でイメージをつかんだりなど工夫をして3種類満遍なく身につけていきましょう。
生物は基本的に暗記です。そのため、遺伝分野など計算問題を正確に解けると得点源になります。苦手な方も多いとは思いますが、コツコツと練習していきましょう。
応援しています!